ジャンルはコメディということですが、結構シリアスな作品でした。
結末が読めると批判的評価をされる方も多い作品ですが、既成概念から諦めることの愚かさを描写した良い作品だと私は思います。
急な父親の死で靴工場を受け継いだ息子チャーリー(ジュエル・エジャートン)が倒産寸前の会社を立て直すまでのサクセスストーリーになってます。
父の会社は一生ものになるような伝統的な紳士靴を作る老舗靴メーカー。
伝統的な靴だけに、一見するとどこにでもあるものと感じてしまいがちです。言い換えれば個性がない。そんな閉塞感ある状況を打ち破っていくアイデアは非常に楽しめました。
本作の見所はなんと言っても、キウェテル・イジョフォー扮するローラの存在。服装性倒錯者として偏見を持たれてたのですが、この類いの人への既成概念が振り払われた時の描写が良いです。
関西弁で言うところの「やってみなはれ」精神が本作には込められてると思います。
また長年、この工場で働いてきた職人気質も面白い。ツンデレ的なキャラクター像は嫌いではありません。
ベタベタでありがちなストーリーの展開でしたが、ミュージカル作品へと変貌を遂げたのも頷けます。テンポの良さが素晴らしかったです。