一作目 オレがやりたい「BOØWY物語」

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wowow_himurokyosuke_201605_s オレは映画の中で音楽を流すことに関しては、わりあい上手い方だと自負しているが、それでも手を出しかねているジャンルが“音楽もの”だ。バンドやミュージシャンを描いた邦画で成功している例で思い浮かぶのは……「青春デンデケデケデケ」「SRサイタマノラッパー」「ロックよ、静かに流れよ」「リンダ リンダ リンダ」……あれ? けっこうあるな。でもこれらに共通するのはアマチュアバンド、すなわち青春物語としての“音楽もの”であって、これがプロのバンドや、アマチュアからプロを目指すみたいな話になると、途端に鈍臭くなる。邦画の苦手ジャンルとして“音楽もの”はいつか乗り越えなくてはならない壁であろう。 オレが「これだったらやれるかもな……」と長年妄想しているのは、BOØWYの物語である。キネ旬読者にとっては「はあ?」かもしれないが、80年代以降のJ-POPシーンの礎を築いたのは間違いなくBOØWYである。氷室京介と布袋寅泰の運命的な出会い、ライブハウス時代の伝説、メジャーデビュー後の衝撃、斬新なビジュアル、全国にロックキッズを生み出した影響力、そして絶頂期での解散……バンドストーリーとしても物語性に満ちているし、なにより楽曲が強い。 全編BOØWY楽曲が流れる中で、4人のメンバーがサクセスしてゆくストーリーは妄想しただけでワクワクしてくる。成功の裏には、失敗も悩みも確執もあっただろう。氷室と布袋の不仲はファンならば誰もが知るエピソードだが、それはきっと天才&カリスマ同士の避けられない“セッション”だったはずであり、映画最大の見せ場になることだろう。 さてこのBOØWY物語、最大の問題は誰がメンバーを演じるか?ということだが、オレには策がある。ズバリ、アニメだ! いや、厳密にいえば全編アニメではない。幸いBOØWYにはライブハウス時代からの映像が豊富にある。だから、バンド結成時やバックステージ部分はアニメで、ライブシーンになるとアーカイブ映像に切り替わるという、アニメと実写のシャッフル構成なのだ!! どうよ!?……って言われてもピンと来ませんよね。オレも書いててわけがわからないし、長年妄想してたとか書いたけど嘘だもん。でもこの「BOØWY THE MOVIE 〜季節が君だけを変える〜」意外とアリじゃね……とりあえず6/26にWOWOWで放送される「氷室京介 WOWOW SPECIAL 〜DOCUMENT OF LAST GIGS 〜」を観て再検討してみます!! 次回の妄想シネマは「ベッキーTHE MOVIE 〜楽しい春と夏になるよ〜」をお届けします。

放送スケジュール

■『氷室京介 WOWOW SPECIAL ~25TH ANNIVERSARY PROGRAM RE-EDITEDVERSION~』5月28日(土)20:00 [ WOWOWプライム] ■『氷室京介 WOWOW SPECIAL ~PROLOGUE OF LAST GIGS~』6月4日(土)20:30 [WOWOWプライム]無料放送 ■『氷室京介 WOWOW SPECIAL ~DOCUMENT OF LAST GIGS~』6月26日(土)20:00 [WOWOWプライム] WOWOW ご加入・お問い合わせ 0120-808-422(9:00〜21:00)/月額視聴料2,300円(税込2,484円) ※加入料はかかりません。

 本連載が掲載されている『キネマ旬報』

kinejun_books201605キネマ旬報 2016年6月上旬号

 

 記事に登場する作品情報

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青春デンデケデケデケ

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SRサイタマノラッパー

51xq-oVWFwL

ロックよ、静かに流れよ

41NJ1K1XHTL

リンダ リンダ リンダ